2014/03/16

カメラ選びで迷っている方へ。「もし値札を見ないとしたら、どのカメラにしますか?」

Leica M3, Summicron 5cm f2, ILFORD DELTA 400

カメラ趣味の世界には、次のような'アドバイス'があります。

「初心者はまず入門モデル(廉価版)を買うべきで、一通り使いこなしたら値段の高いモデルを買うべきだ」

数十年前は機械的なスペックに大きな優劣の差が有ったため、このような話題で雑誌の投書欄はしばし盛り上がったりしました。
最近は入門機のスペックが驚くほど良いので、こんなアドバイスが今現在も通用するかどうかは分かりません。

また、このアドバイスは自身のプライドと経済状況から生み出されているようにも見えます。
かつて売れっ子のカメラマンほど高価な機材を持っていて、それがある種のステータスシンボルであった時代もあったからです。

そうして考えると、このアドバイスはとても重要なメッセージを示唆しています。
それを知るために、「もし値札を見ないとしたら、どのカメラにしますか?」という問いかけに変えたいと思います。
カメラでなくとも、レンズであったり、また他のものでの問いかけでも良いかもしれません。
これから写真を趣味に始めようとする人が、「自分は初心者だから」と一番安いものを選択しようとしていた場合にも有効な問いかけです。

より正確に言い表すならばこの問は、「撮りたいものを撮りたいように撮れるカメラはどれ?」になります。

例えば、
「小さなお花を大きくふんわり綺麗に撮れるのはどれ?」
「デジカメみたいに気兼ねなく撮れるフィルムカメラはどれ?」
「子供の室内競技の様子をアップで撮れるのはどれ?」
「カワセミなどの野鳥を画面いっぱいに撮れるのはどれ?」
「空や海を広く撮れるのはどれ?」
「釣りの疑似餌と一緒に海に放り込める動画機能付きカメラはどれ?」
といった具合です。

小さなお花を~なはずなのに、ファインダー倍率の小さな一眼レフカメラを暗いズームレンズキットで購入してしまったら、この人は思うように撮れなかったことで意欲を失い、写真趣味をやめてしまうかもしれませんね。

「初心者は…」とアドバイスする人は、もしかしたらこうやって新参者の芽を摘んで、いつまでも自分が優位に立っていたいと願っていたのかもしれません。
裏を返せば、そのレベルの写真なら機材を選ぶことで簡単に撮ることができるというわけです。

お金が問題なら中古もあります。また、所有することが全てではありませんので、レンタルという選択肢だってあります。知人に貸してもらうというのもそうですね。

自分が初心者かどうか、家計の状況がどうか、というパラメータは含めずに、ただ単純・純粋に、「どれ?」で探してみるのはどうでしょうか。

一つの手段が取れないために、目的すら外してしまうのは、一番勿体無いことです。

自分の目指す写真が撮れている時、あなたはどんな姿でどんな機材を使って写真を撮っているでしょうか。

迷っていたら、イメージしてみてください。

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